中秋の名月・十五夜・芋名月と季語

仲秋の名月・十五夜 年中行事

秋の季語「月」

「月」は秋の季語です。それだけ秋の月夜は格別・別格ってことでしょうか。

ほかの季節に使う月は春の月、夏の月、盆の月、名月、後の月、冬の月などの頭に断り書き的な言葉が付きます。それほど秋の月は別格なんですよね。

  • 四日月、五日月、八日月、十日月
  • 月更くる
  • 月上る
  • 遅月
  • 月傾く
  • 月落つ
  • 月の秋
  • 月の桂、桂男
  • 月の兎玉兎、月の蛙
  • 嫦娥、孀娥
  • 月の鼠
  • 月の都、月宮殿
  • 月の鏡
  • 月の顔
  • 胸の月
  • 心の月
  • 真如の月
  • 袖の月
  • 朝月日
  • 夕月日
  • 月の出潮
  • 月待ち
  • 昼の月
  • 薄月
  • 月の蝕
  • 月の暈、月の輪
  • 月の出、月の入、
  • 月渡る
  • 秋の月
  • 月夜
  • 月光
  • 月明
  • 月影
  • 月下
  • 上弦、下弦、
  • 弓張月、半月、有明月

お月見・仲秋の名月

陰暦時代は月の満ち欠けが暦でした。毎月の十五夜は月齢15日目。

年中行事で月見をするのは旧暦8月15日の十五夜。仲秋は三秋の真ん中を指しています。「中秋の名月」と呼びお月見をするようになりました。

旧暦8月15日の「十五夜」は別名「芋名月」で、翌月の旧暦9月13日の「十三夜」は「栗名月」や「豆名月」と呼ばれています。

月のほっこりした灯が、その時期に採れるお芋や栗に例えられるのは実りの秋。食欲の秋ですね。

松尾芭蕉と観月の俳句

松尾芭蕉による名月の俳句もご紹介。

名月や 池をめぐりて 夜もすがら

名月を眺めていたら夜通し池の周りをめぐっていたな。

名月や 北国日和 さだめなき

北国で旅のさなかに名月を迎えたが月が見られなかった。北国の天気はあてにならないな。

俤(おもかげ)や 姥ひとり泣く 月の友

この同じ月を見て1人で泣いている姥の姿が思い浮かぶよ。

月の明るさが頼りの昔は、夜に孤独を感じるのは自分一人じゃないよな。って思う情景が。

夜の闇が深いなか、月明かりは今よりもっと重要だったのでしょうね。