「異彩を、放て。」福祉をアートで変革するヘラルボニー

障がい児を育てるママへ読んでほしい「異彩を、放て。」ヘラルボニーのキセキ 子育ての壁
子育て俳句
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贈りもの 迷うの楽し 師走の市

須賀川こけ子

「ヘラルボニー」という聞きなれない、しかし力強くて一度聞くと忘れられない響き。これは重度の知的障がいと自閉症をもつ兄のメモから社名に採用したという。

当事者の家族で双子の兄弟が、福祉のムラ社会を変え、障がい者のアートにきちんとした対価をつける。アート×福祉で世界を変革する!その過程をつづっています。

「異彩を、放て。」は型破りな起業戦記

異彩を、放て。表紙とヘラルボニーの商品

「普通じゃない」は可能性だ! 「障害」が絵筆となって生み出されるアート作品を世に解き放つ双子の起業家。ジャケット、バッグ、さらには駅や空港のラッピングと、その活動範囲はこれまでの常識を軽く飛び越え広がり続けている。「僕らは未来をつくっているんだ」という彼らの原点、軌跡、そして未来を初めて明かす一冊。

https://www.shinchosha.co.jp/book/354811/

新潮社のウェブサイトで「型破りな起業戦記」と紹介しているように、これはヘラルボニーが立ち上がるまでの経緯を中心に執筆した起業本です。ゆえに、苦労話や感動話を着地点にしていないところが最高に格好いいのです。

「かわいそうな障がい者を助けてあげる」「こんなに苦労したけどがんばってる」に終始しがちな世界に、風穴を開けるのがこの「異彩を、放て。」であり、「ヘラルボニー」。

障がい者アートがビジネスとして成立することが基本にあり、ヘラルボニーが手掛けるプロジェクトやプロダクトのクオリティの高さにも表れている。社会の隅に追いやられるのではなく、まっとうに社会にかかわる。その結果が、当事者やその家族にまっとうに還元されることを軸に活動しているのです。

「異彩を、放て。」著者である双子の松田兄弟とその兄について

双子の兄・文登さんは地元の建設会社タカヤで(崇弥さんと同じ名前という理由で応募したそう)で、弟の崇弥さんは。東北芸術工科大でのゼミで出会った小山薫堂さんのオレンジ・アンド・パートナーズで、それぞれに経験を積んだのちにヘラルボニーを設立。

松田文登さんは副社長営業統括。東京都を拠点にする松田崇弥さんが社長・クリエイティブ統括。

2019年に世界を変える30歳未満の30人「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN」受賞します。

【What our brother with autism taught us 自閉症のある兄が僕たちに教えてくれたこと】と題して講演したTED×東北では、翔太さんも最後に登壇して、「異彩を放てーーーー!」と伝えています。

心の真ん中から感動する障がい者アートとの出会い

「ヘラルボニー」を始めるきっかけは、松田崇弥さんが「るんびにい美術館」でうけた感動。アート作品から湧く純粋な美しさやデザインが彼らを突き動かします。

また、本書のなかにはるんびにい美術館の板垣崇志さんのコラムが挟み込まれています。板垣さんから見た「ヘラルボニー」と、障がい者だからこそ出来るアート、福祉の内側についても知ることができます。

るんびにい美術館は岩手県花巻市にある美術館。知的障害や精神障害などのある作者が創造した表現作品を展示するの美術館。とはいえ、『アウトサイダーアート、アール・ブリュット』ではないといいます。障害者と健常者を分けるのではなく、ボーダーを外して見るためのギャラリー。2階のアトリエでは制作を見学したり、アーティストと交流もできる場になっています。

現在登録されているアーティストは全国各地にひろがっています。福島県のアーティストも勿論活躍していますよ。

いますぐ「異彩を、放て。」を読んでみたい!という方はぜひ。新潮社の試し読みもあります。

「異彩を、放て。」を読みたい方へ

ヘラルボニーのアイテム

最初に発表した銀座田屋で制作したネクタイ、京都のムーンバットで制作した傘。テーブルウェアやファブリックなどジャンルを超えたアイテムへと発展。Disgneyとのコラボや、ベルメゾン、nico and…などアパレル・雑貨などの商品が展開されています。

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